今回は「無視」というパワハラを受けたOさんのお話です。
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パワハラの定義に「無視」も含まれる
パワハラというと「暴言」や「過剰な業務の押しつけ」などが頭に浮かびます。
しかし、厚労省ではパワハラの種類はこのように定義されているのです。
1.身体的な攻撃 | 暴行・傷害 |
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2.精神的な攻撃 | 脅迫・名誉毀損・侮辱・ひどい暴言 |
3.人間関係からの切り離し | 隔離・仲間外し・無視 |
4.過大な要求 | 業務上明らかに不要なことや遂行不可能なことの強制、仕事の妨害 |
5.過大な要求 | 業務上の合理性なく、能力や経験とかけ離れた程度の低い仕事を命じることや仕事を与えないこと |
6.個の侵害 | 私的なことに過度に立ち入ること |

【体験談】上司のパワハラ(無視)に耐え続けた結果うつ病に
今回ご紹介するのは、食肉加工会社に勤務しているOさんの体験談です。
Oさんは上司からの「無視」によるパワハラを受け続け、最終的には「うつ病」を患ってしまうことになりました。
パワハラの実態がどういうものか、見てみましょう。
定期的に本部から現れる上司の「無視」
以前、私は食肉加工会社に勤めていました。
スーパーの中にもテナントを構えている、そこそこ大きな会社です。
立場は加工ラインの「現場責任者」でした。
精肉の品質や在庫の管理、20名にもおよぶスタッフの労務管理などが主な業務内容です。
私の上司は本部におり、定期的に視察にくるのですが、これが苦痛でたまりませんでした。
その理由は「私に対する無視」です。
現場に居座り、部下たちとしかコミュニケーションを取らない上司
私の上司はいつも昼過ぎに現れます。
「お疲れ様です!」と私のほうから声をかけるのですが、私には挨拶を返すことなく、現場のスタッフに「よお、お疲れさん!」を声をかけて回ります。
私と上司との唯一のコミュニケーションは現場の報告のみ。
私もキャリアはそこそこ長いため、問題が発生してないかどうかのみを確認して終わることがほとんどでした。
問題はその後です。
上司はすぐに本部に戻らず、現場に居座ってスタッフと雑談をしていくのですが、それが苦痛でなりませんでした。
たかが無視と耐え続けるが、やがて・・・
スタッフたちも、次第に私とは距離をおき始めるようになりました。
いつの間にか、私は責任者という立場でありながら、孤立してしまったのです。
20人位の中に、ポツンと一人だけいるような時間が何年も続きます。
最初は「たかが無視。仕事には関係ない」と思うようにしていたのですが、やがて「自分が悪いのだろうか?」と疑心暗鬼になり、とうとう仕事が手につかなくなってしまいました。
休みの日も何もできなくなり、夜も寝られず、食欲もなし。
これはおかしいと診療内科に通ったところ、「うつ病」との診断結果が下りました。
治療を終えても残るトラウマに苦しむ日々
結局その後に退職し、心療内科に通院する日々が始まりました。
再び働けるようになったのは、心療内科に2年間以上通った後のことです。
働き始めはよかったのですが、些細なミス等で自分を責めはじめ、鬱症状が再発。
結果、半年間で辞めてしまうことになりました。
その後はふたたび静養をとり、家族と過ごす時間を多くとるようにしています。
現在は薬を飲まなくなるまで回復をしましたが、まだ仕事にはついていません。
パワハラに耐え続けて得られるものはゼロ
今回のケースは明らかにパワハラであり、労災事案です。
このような場合、労働基準監督署で、『労働者労働災害保険請求書』を取得し、さらに心療内科医の『診断書』をセットにして労災申請をすれば、労災保険を受給できる可能性は十分にあります。一人で悩まずに、労働基準監督署に相談にいきましょう。
しかしながら、労災保険の受給云々は事後の話であって、一番重要なのは「どうパワハラに対処するか」でしょう。
暴言の類であればボイスレコーダーに録って証明はできますが、「無視」というパワハラの証明は難しいものです。
とはいえ、Oさんのように何年も耐え続けるのは得策ではありませんね。
「無視」というパワハラにどう対処すべきか
パワハラ自体は明確に定義されているものの、取り締まるような法整備はまだされていません。
パワハラ問題の対処が難しく、被害者の多くが泣き寝入りになる理由の多くがここにあります。
とはいえ、まったく手がないわけではありません。
パワハラを行う上司のさらに上にあたる人間、もしくは人事部に直談判をすることで、解決に向かう可能性はあるのです。
しかし、もし会社が真剣に対処をしなかった場合、あなたと上司との関係はより悪化の一路をたどることになります。
そこで、会社への談判とセットで『転職エージェント』で別の仕事も探すようにしましょう。

転職エージェントは、転職サイトの登録と違い、「キャリアアドバイザー」という担当があなたに直接ついてくれます。サポート期間は90日なので、こちらのほうを進めた上で「会社への直談判」とセットで進めていきましょう。
つまり、実際に「いい仕事」が見つかった上で「改善しなければ辞めますよ」という勧告をあなたから行うわけです。
会社側が誠意を示し、「これならまだ続けられる」と判断した場合、エージェント側にキャンセル依頼を出すこともできます。
登録することであなたの戦略が広がってきますので、今すぐ登録だけしておきましょう。
まとめ 無視というパワハラの自然解決には期待しないこと
パワハラは、原因となる人間が異動か退職などしない限りまず解消されません。
当面その望みが薄いのであれば、あなた自身がその組織に見切りをつけるというのも必要な選択肢です。
現在具体的に転職を考えてなくても、「いざとなったら脱出可能」という選択肢があるだけでも、間違いなく心の支えになります。
そのためにも、いますぐリクルートエージェントに登録だけしておきましょう。
もちろん、いい仕事が見つかれば募集を進め、会社に「パワハラが改善しないので退職する」という風にあなた自身が主導権を握ることも出来ます。
自然解決に期待してじっと耐え続けることは「うつ病」や「自殺」と紙一重の状態でもあることをしっかりと理解し、出来る対策をうっていきましょう!
