部下をもつ立場になると生じる悩みの種の1つが、「ラクしているように見られてしまう問題」です。
実際は責任の重い「管理業務」を担っているので決してラクではないのですが、はたからはラクしているように見られることもしばしばあるようです。
この「ラクしているように見られてしまう問題」を放置していると、いざという時にスタッフの力を借りることが出来ません。
それどころか、手のひらを返したように離職していくことすらあります。
そんな時に重要なのが「普段のコミュニケーション」です。
これがどれほど重要なことなのか、正社員とスタッフの間で実際に起こったケースを見ていきましょう。
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【体験談】業務移管を巡って正社員とスタッフが対立!
今回、とあることからスタッフと「一触即発の事態」にまで発展したお話をします。
また、「人は賃金だけで動くものでもないのだ」という戒めでもありますので、ぜひご一読くださいね!
コールセンターの正社員は超多忙!残業がたえない毎日…
コールセンターって正社員は少なめで、派遣社員やアルバイト、パートなど非正規の雇用の方が圧倒的に多いんです。
そんな職場だからこそ、正社員の仕事量って膨大です。
基本的にスタッフは定時退社と決まっていますので、日中にさばくことができなかった業務は私達正社員が、残業で処理するしかありません。
見かねた上司が、賃金アップを条件に、一部のスタッフへ業務移管を進めてくれることになりました。
「これで少し楽になる」と私達は安心していたのですが…
「どうせ遊んでるんでしょ?」スタッフからの言葉の砲撃が始まる…!
「こんなの社員がすれば良いのに。どうせ遊んでるんでしょ?」
ある日、キャビネットの裏からこんな声が聞こえてきました。
耳を疑いましたが、私にあえて聞こえるように言ったのは明らかなトーンです。
「会議なんてどうせ世間話しかしていないでしょ」
「有休とる余裕あるなら、自分の仕事をしろよ」
業務移管が開始されてから、こういう言葉を毎日耳にするようになりました。
「賃金アップもするし、皆も納得の上だろう」と思っていた業務の受け渡しでしたが、いざ蓋を開けてみると、スタッフは誰1人として納得していなかったようなのです。
悩んだ末に上司が取った解決方法とは…
部下とは挨拶すらも出来ないぐらいギクシャクしはじめ、どう手を打てばよいのかわからず、頭を悩ませる日々が続きました。
私だけではなく他の正社員も同様の悩みを抱えていたようで、業務移管を進めてくれた上司と緊急の打ち合わせを開催することになりました。
上司も想定外の現状を知ってかなり驚いたようで、直々にスタッフ達と面談をしてくれることになりました。
面談はかなり難航したようで、中には数時間にも及ぶものもありました。
しかしその効果はテキメン! 陰口は日に日減っていったのです。
原因はコミュニケーション不足による相互理解
面談を終えた上司は、ふたたび私達を集めてフィードバックしてしてくれました。
「君たちがかかえている業務量と残業時間を知ったら、みんな理解してくれたよ」
そう、スタッフのみんなは「お金という対価で一方的に仕事を押し付けられた」と認識していたのです。
なにより、私達が抱えている業務の多さが、スタッフには全く見えていなかったのが致命的でした。
もっと普段から彼らとコミュニケーションを取り、信頼を得ていたならば、こういう事態にはならなかったと思います。
「賃金アップするんだから納得してくれるだろう」と安易に考えていたことも反省点でした。
人はお金だけで動く生き物ではありません。馬を水場に引っ張っていくことは出来ても、水を飲ませることは出来ないのです。
それからはスタッフの子達側から「忙しいでしょ。これしときましょうか?」と声をかけてもらうことも増えました。今ではとてもよい関係性で仕事をすることが出来ています。

何をおいても大事なコミュニケーション
今回のケースの発端は「普段のコミュニケーション不足」にあったことは明らかです。
上司と部下との関係はあれど、分をわきまえつつ思ったことをいいあえる関係ならば、多少のことがあってもぐらつくことはないのです。
コミュニケーションは組織の円滑油とはよくいわれますが、「接着剤」でもあるのです。
事が起きてからコミュニケーションを取り始めても、「ゴマをすり始めた」とかえってスタッフの心が離れていきます。
大事なのは普段からの挨拶と、雑談とユーモアです。
部下の表情を見てつらそうな時に「大丈夫?手伝おうか?」と声をかけていれば、逆にあなたが大変な時に部下のほうから声をかけてくれるものですよ。
まとめ 部下と上司の相互理解はとても難しいテーマ
部下と上司の相互理解は非常に難しいテーマです。
なぜなら根っこには「賃金や福利厚生の差」があるからです。
なので組織を円滑に回すためには、上にいる立場の人間はなにをおいてもコミュニケーションを重視しなければいけません。
コミュニケーションを取ることが苦手な人は、チョコレートやおせんべいなどを定期的に配るのもオススメです。
「ちょっと疲れたな」「お腹がすいたな」という時にもらうお菓子はポイントが高いですよ。
私の知っている管理職の人間は、机の中にびっしり「うまい棒」を入れ、ことあるごとに配りまくって人心掌握に努めていました。
繰り返しますが、普段のコミュニケーションは、有事の時の「信頼貯金」でもあります。かならず意識するようにしましょう。
万一スタッフとの溝の深まりを感じてきた時は、早めに上司を巻き込んで対策をうつようにしてくださいね。

