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退職の意思はいつ・誰に伝えるべき?キーマンや段取りについて考える

あなたが退職の意思を固めた際、「①いつ」「②誰に」伝えるべきかは悩ましい問題です。

もしこの2つのポイントがずれてしまっても、基本的にあなたの退職が覆ることはありません。

しかし、円満退職を願うのであれば、この2つのポイントは考慮する必要があります。

今回、そのポイントについて考えてみましょう。

【失敗事例】退職の意思を伝えるキーマンを誤り、気まずい思いをしたケース

今回ご紹介するのは、退職の意思を固めたDさん(仮名)が、その意向を伝えるキーマンを誤ったために大変気まずい思いをしたケースです。

あなたが同じようなことにならないように、是非ご一読ください。

昭和気質の小さな地方銀行に勤務する日々

私は大学を卒業後、銀行に就職しました。

といってもメガバンクなどではなく、300人程度の規模の小さな地方銀行です。

ただし小さな規模といってもアットホームな感じはまるでなく、昭和的な「根性論」や年功序列を重んじる風潮が強い環境でした。

業務が終わらないなら深夜残業はあたりまえ。さらに中年役員のパワハラやセクハラまがいが横行していたので、同期や後輩で退職していった人間もすくなくありません。

私も退職したいと考えるようになったものの、環境に嫌気が指したというより(もちろん好きではありませんでしたが)やりたいことが見つかったためです。

退職の相談をしたのは先輩と人事担当

転職の意思を固めたはよかったのですが、まず、誰に話すべきかわかりませんでした。

そこで、ひとまず自分がお世話になっていた先輩に口頭で伝えることにしました。

「おぉ、そうか。頑張れよ」とエールはもらえたものの、退職を受理出来る立場にあるわけではありません。

次に、採用の時に大変お世話になった人事の方に相談したところ、「私から部長に話を伝えておきますね」と言われほっと胸をなでおろしました。

部長が怖くて退職の意思が切り出せない!

しかし翌日のことです。

自分の部署の先輩から呼び出され、「部長にまず相談するのが常識だろ。社会人としての礼儀に欠けているぞ!」と指摘されました。

先輩が知っているということは、おそらく部長も私の退職のことは耳にしているはず…。

先輩ですらあの剣幕だったのですから、昭和気質の部長からはどのような叱責をされるのか、怖くて仕方ありませんでした。

結局、部長に相談にいったのはその1ヶ月後でした。

かなり覚悟して呼び出したのですが、退職面談の場では怒鳴られるようなこともなく、終始冷ややかな雰囲気でした。

幸が不幸か、退職の話が(間接的に)伝わってから時間が立ちすぎていたせいかもしれません。

その後は引き継ぎなどを終えてスムーズに退職出来たのですが、あのときの気まずい1ヶ月間は未だに忘れることの出来ない体験です。

退職の意思を伝えるタイミングと相手について

Dさんはかなり気まずい思いをしたようですが、これは「昭和的な会社側」だけを責めることはできません。

というのも、Dさんの退職の相談をすべき相手が最適でなかった可能性があるからです。

退職のタイミングは2週間前ならOK

もしあなたが退職を考えた場合、民法上では「2週間前には意向を伝えればOK」とされています。

退職させてくれない!強引な引き止め「在職強要」への対応方法病院の中で蔓延するパワハラ。過重労働の日々に「辞めます」といいだすも、患者を盾に、情をくすぐる慰留で辞めさせない悪質な上司たち。看護助手の当事者が受けたパワハラと、なんとか退職出来た経緯をまとめました。...

あなたの会社の就労規約には、おそらく「退職の場合○日前には言うこと」と定められているかと思いますが、おそらく2週間よりも長い期間のはずです。

その期日に合わせられたら理想ですが、仮に「2ヶ月前」などと定めされていたら、その期日を優先していては転職など出来ません。

余裕をもって1ヶ月前ぐらいがベストではありますが、民法上は2週間前ならOKです。

ちなみに退職を巡って訴訟が起き、労働者側が負けた判例もあるにはあります。

ただしかなりの条件付きなので、よほどのプロジェクト担当者でもない限り「明日から来ません」となっても、まず訴訟に至ることはないといえます。

退職を巡って労働者が裁判でまけた事例

ケイズインターナショナル事件➝プロジェクト担当として採用するも、急に出社しなくなり重要な取引が白紙、甚大な損害を会社が被ったケース

長谷工コーポレーション事件➝会社の留学制度を使って2年間留学。帰国した後ほどなくして退職。会社は学費の請求をして勝訴

退職の意志を伝えるのは「直属の上司」が正解!

次に、退職の意思を誰に伝えればよいかです。

「誰に伝えるべし」というような法的なものはありませんし、ここまで細かく就労規約に定めているものも少ないと思います(仮に間違っていても懲戒などはありませんので安心を)。

ただし、社会通念上、「あなたの直属の上司」が望ましいと考えられます。

あなたの直属の上司はあなたの業務内容を理解している立場なので、「誰にどう引き継がせるか」などを考える立場にあることが大きな理由です。

同僚や部下➝あなたの退職に触発され、「私も辞めよう」と誘発する可能性があります。

先輩➝お世話になった先輩には誰よりも早く伝えたい気持ちもわかりますが、ここから話が広がっていくとかえって迷惑をかけることにもなります。

上司を飛び越えた上司➝あなたの直属の上司の顔を潰すことになります。

まとめ きれいな退職はあなたの今後の人生にもきっと役に立つ

今回の記事の内容を要約すると「退職の意思表示は遅くとも2週間前、相手は直属の上司」となります。

「え? でもどうせ辞める職場なのにそこまで考えなきゃいけないの?」と思うかもしれません。たとえば直属の上司が苦手な相手であれば尚更ですね。

しかし、あなたは会社に身をおくことで、少なからず恩恵は受けているわけです。

その恩義に対し、「後に残る人たちが出来るだけ困らないように」と配慮できるかどうかは、実はあなたが新しい職場で働くにあたっても重要な要素です。

私の経験上、周りのことを考えずに散らかして辞めた人間は、次の転職先でも例外なく失敗しています

それはそうですよね。何年も働いた環境に些細な配慮もできない人間が、真新しい人間関係の輪のなかでうまくやっていけるはずがありません。

立つ鳥後を濁さず、というのは使い古された言葉ではありますが、まさに「退職をするあなた」が心得て起きたい言葉の1つです。

そのための第一ステップである「タイミング」と「キーマン」選びについては、外さないようにしましょう!